足の爪が白く濁ってきたり、もろくなっている場合、それは爪水虫かもしれません。
正式には「爪白癬(つめはくせん)」と言います。
原因は白癬菌(はくせんきん)という真菌(いわゆるカビです)の一種が爪に感染する事です。
爪が白く濁ってくると気になってしまい、濁った爪をどんどん切って深爪になっている方もいらっしゃいます。
白癬菌がいるかどうかは皮膚科で顕微鏡検査を行います。メスで爪を少し削って専用の薬液で溶かし、顕微鏡で確認します。
検査は5~10分で結果が出ます。検査をせずに薬を開始すると、治らなかった場合に、そもそも水虫の診断が正しかったのかどうかわからなくなります💦
皮膚科専門医は必ず初診時に顕微鏡の検査を行います。
さて、爪白癬の診断がついた後は治療です。治療には塗り薬か飲み薬のどちらかになります。
①塗り薬は2種類 クレナフィン と ルコナックがあります。
どちらも1日1回 爪に直接塗るお薬です。
副作用としてまれに皮膚がかぶれる場合があります。足の爪は伸びるのに時間がかかり、完全に生え変わるには1年から1年半かかると言われているため、その間毎日塗り続ける必要があります。
②飲み薬にもいくつか種類がありますが、最近は
1日1回1カプセルを12週間(3か月)飲んだら終了できるネイリンカプセルが主流となっています。3か月で足の爪は生え変わらないので、3か月飲み終わった時点ではまだ爪は半分くらいしか改善していませんが、その後そのまま経過をみているときれいな爪が根本から伸び続けて全体がきれいになってきます。
ただし内服薬の副作用として、全身倦怠感、肝機能障害、発熱、吐き気、食思不振、かゆみ、発疹などが出る場合があります。
内服薬をご希望の場合は投与開始前と開始後1か月~1か月半の時点で血液検査が必要です。
↑ネイリンカプセル内服開始前
↑5か月後(内服12週間+経過観察2か月経過) ※副作用特になし
だいぶきれいな爪が延びてきましたね。
若くて特に基礎疾患がない方は、内服薬の方が早く確実に治るのでオススメです。
基礎疾患があり他の内服薬が多い場合や、薬を飲むのに抵抗のある方は根気よく塗り薬を塗りましょう。
爪水虫は同居している家族に感染したり、他の爪にもうつったりしてしまいます。
放置せず早めに治療をしましょう。