帝王切開の傷跡がケロイドになる方は実はとても多いです。
(私も帝王切開で、ケロイドになりました・・・)
ケロイドとは傷が治る途中で、線維芽細胞によるコラーゲン産生が過剰になり傷が盛り上がりすぎてしまう現象です。正式には、傷の部位だけが盛り上がるものを「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」、傷の範囲を超えて盛り上がり拡大するものを「ケロイド」と言います。(今回はまとめてケロイドと記載します。)見た目が気になるのはもちろん、赤く、痛痒いのが特徴です。
帝王切開では、縦方向に切開する場合と横方向(下着のラインに沿った線になる)に切開する場合があります。
皮膚の張力の関係で、横切開よりも縦切開の方がケロイドのリスクは高くなります。
縦切開のでは切開腺の下の方が特にケロイドになりやすい部位です。
下腹部だけでなく、肩や二の腕、デコルテ、耳などはケロイドの「ハイリスク部位」です。耳はピアスを開けたところがケロイドになる方もいらっしゃいます。
また体質によっては手術後の傷だけではなく、ひどいヤケドの痕や、ニキビの痕、水疱瘡の痕、虫刺されの痕もケロイドになります。
帝王切開後の傷の場合は抜糸後すぐにテープを貼付し、傷を圧迫すること、保湿することで予防することができます。しかしそれらの対応をしても残念ながらケロイドになってしまう場合はあります。
ケロイドになった場合は
①ステロイドの軟膏を塗る
②ステロイドのテープを貼る(※ドレニゾンテープは既に製造中止のため在庫限りで終了となります。)
③ステロイドの注射(ケナコルト注射)をする
④抗アレルギー薬や漢方薬を内服する
⑤手術で切り取る
などの方法があります。
⑤の手術は特殊な方法で切除をしないと、手術部位がまたケロイドになる可能性が高いため当院ではケロイドの手術は行っておりません。
上記で一番オススメなのは③のケナコルト注射です。
ケロイドに直接注射をするので痛みはありますが、即効性があり、かゆみや盛り上がりを平坦化することが可能です。
重症度にもよりますが、2~4週間あけて数回繰り返すことで改善が期待できます。
シールを貼っても、薬を塗っても盛り上がりが改善しない方、かゆくてお困りの方、目立って気になる方
これまでプライベートゾーンで恥ずかしくで受診できなかった方
当院では必ず院長(女性医師)が対応いたしますので、ご心配なくご相談くださいね。