肌が荒れやすいお子様だったり、ご両親やご兄弟にアレルギーがあったりすると、食物アレルギーが心配で離乳食の開始を遅らせようか悩んでいる保護者の方がいらっしゃいますが、
離乳食開始を遅らせても、食物アレルギーの発症を予防する効果はありません。
通常生後5か月頃からの離乳食開始が推奨されていますが、「アレルギーが心配だから・・・」とずるずる先延ばしにしていませんか?
当院では乳児期早期に湿疹で受診された方には、
「離乳食を開始する生後5か月頃までにお肌をツルツルにして食物アレルギーを予防しましょうね」
とお伝えしています。※お肌をツルツルにして、肌のバリア機能を高めておくと、アレルギーの原因物質の経皮感作を予防できます。
離乳食開始前に、「アレルギーがないか採血で調べたい」というご希望もよくあります。(←お気持ちはよくわかります・・・)
湿疹の経過が長かったり重症の方はスクリーニングの検査をされる場合もありますが、心配だからと言って一律アレルギーの検査をすることは推奨されていません。(※当院では未就学児の採血は行っておりません。)検査が陽性だったというだけで、本来食べられるものを避ける(除去する)のは、成長期の子供が十分な栄養を取れなくなる恐れがあるからです。
採血で陽性に出たとしても「食べられるものは食べる」「食べられる範囲までは食べる」というのが現在の治療のあり方です。
もちろんアナフィラキシーなど激しい症状が出る食品は避けなければならないので「食物経口負荷試験」が必要な場合もあります。
アレルギーがご専門の小児科でご相談ください。
離乳食の開始を遅らせたり、卵を食べるのを遅らせたり、自己判断で決めるのは危険ですので注意しましょう。
皮膚科でできるのは「とにかく早く肌をつるつる すべすべにする事」です。
お子様のお肌でご心配なことがありましたらいつでもご相談ください。