今年も連日の猛暑が続いておりますね。
この暑さでわき汗の量がとても多くてお困りの方はいらっしゃいませんか?日常生活で流れるほどわき汗をかく、汗ジミが気になって何度も着替えるなど日常生活に支障をきたすほど多量のわき汗が続いている場合、治療の適応になるかもしれません。
「原発性腋窩多汗症」とは、明らかな原因がないまま、6か月以上多量のわき汗がみられ
以下の項目のうち2項目以上当てはまる場合に診断されます。
①最初に症状が出たのが25歳以下
②左右両方で同じうように発汗がみられること
③睡眠中は発汗が止まっていること
④1週間に1回以上多汗の症状がでること
⑤家族にも同じ疾患の人がいること
⑥わき汗によって日常生活に支障をきたすこと
「原発性腋窩多汗症」と診断された場合、保険適応の塗り薬を使用できます。現在2つのお薬があります。
こちらは「エクロックゲル」で1日1回両脇に塗ります。ツイストボトルでクルッと回すと片脇の1回分が出てきてそのまま脇に塗布できます。13歳からご使用いただけます。手につかないのがメリットです。
こちらはラピフォートワイプというお薬です。使い捨てのシートタイプで1日1回両脇をふき取ります。汗拭きシートみたいな感じですね。持ち運びにとても便利ですが、手に付着するので必ずご使用後に手を洗う必要があります。9歳からご使用いただけます。
どちらのお薬も汗の出口に蓋をするわけではなく、交感神経から汗腺に汗を出す指令をブロックする抗コリン作用のあるお薬です。副作用として塗布部位のかぶれのほか、口の渇きや目をこすってしまうと視界がぼやけたり、光をまぶしく感じるなどの可能性があります。また抗コリン作用として尿が出にくくなる副作用の可能性もありますので、緑内障や前立腺肥大の方、妊娠中、授乳中の方は使用できません。
また、「原発性腋窩多汗症」の中でも日常生活に頻繁に支障があるような「重度」と判定され、上記の薬剤で効果がなかったり、かぶれてしまう方は保険適応のボトックス注射(GSK社)が適応になります。
ボトックスとはボツリヌス菌が作り出すA型ボツリヌストキシンという天然のたんぱく質を有効成分としたお薬です。注射は両側の腋窩に細かく注射をします。注射をする際は、患部を冷却して痛みを感じにくくしてから細い針で注射をします。(※ご希望の方には表面麻酔を使用します。)1~2週間で効果が現れ、約4~9か月程効果が持続します。副作用として脇以外のところからの汗が増える代償性発汗やアレルギー症状(発疹 かゆみ アナフィラキシーなど)があります。また、妊娠中、授乳中や妊活中の男性、女性、喘息など呼吸器疾患の方、筋肉、神経の疾患のある方、緑内障のある方や使用中の薬剤がある方は投与できない場合があります。
※なお、「重度」ではないけれどわき汗を抑えたい方には自費診療での脇ボトックス注射(アラガン社)のご案内となります。効果や副作用は上記と同じです。
わき汗でお悩みの方は是非お気軽にご相談ください♪