手足のイボは皮膚科の外来診療ではとても頻度の高い疾患です。
イボは正式には尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)と言い、パピローマウイルスが原因ウイルスの皮膚感染症です。手足にいつのまにかウオノメのようなできものができて、次第に大きくなったり数が増えたりします。ご家庭内で親子や兄弟間でうつってしまう場合も多々ありますので早めに治療が必要です。
治療は液体窒素で冷凍凝固するのが一般的です。
当院ではこのようなスプレーで非接触にて治療を行います。(昔は手作り綿棒で一つ一つ冷凍凝固していましたので、皮膚科の看護師さんは液体窒素用の綿棒を手際よく作ってくれていました。)
もちろん目の周りや鼻、耳の中などスプレーで支障がある部位は手作り綿棒で行います。
液体窒素はマイナス196度で瞬間冷凍させるため、痛みを伴います。お子様は特に1回うけると怖がってしまい、施術を拒否する子、大泣きする子も多いです。またイボ治療は1回の処置では治りませんので1~2週間に1回の定期通院が必要です。
当院では痛みで液体窒素が使えない場合にはモノクロロ酢酸による治療を行っております。
モノクロロ酢酸は酸の一種でイボが感染した組織を破壊します。竹串の先でモノクロロ酢酸をイボの部位にチョンチョンと塗り、乾かしてから小さい絆創膏と防水フィルムで保護して終了です。液体窒素のような痛みはありませんが、時々かゆくなったり、赤くなったり、ヒリヒリする場合もあります。
帰宅後は汗をかいたりぬらしたりしないようにしていただき、夜入浴前に剥がして洗い流してから入浴していただきます。手のいぼは洗って濡れてしまう可能性があるので、足のイボに適応になります。
この処置を週1回繰り返し、治療期間は平均で3か月から半年です。(効果には個人差があります。)
痛くないイボ治療をご希望の方は一度ご相談ください。