
今年は本当にりんご病が流行っています。
皮膚科医になって20年近くになりますが、こんなに毎日多くのりんご病患者さんをみるのは初めてで驚いています。
りんご病は正式には伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)と言います。
ヒトパルボウイルスB19による感染症で子供に多くみられます。(5歳~9歳が最多です。)
頬っぺたがリンゴのように真っ赤になることから通称「りんご病」と呼ばれます。
約10日~20日の潜伏期の後、微熱やかぜ症状がみられ、その後1週間ほどたってから頬が真っ赤になり、次第に腕や下肢にもレース状の発疹が広がります。
成人では関節痛や頭痛を伴う場合もあります。
頬が赤くなって初めてりんご病が疑われますが、その時にはすでにウイルスの排出量が減っており、感染力もほぼないと言われているため
登園、登校に支障はありません。(見た目でびっくりされますが💦)
当院の近隣では明らかに流行しているため、「学校で友達にりんご病じゃない?って言われたー」とか「クラスに○○人りんご病いるよー」と小学生の患者さんが教えてくれます。それほど小学生ではりんご病は今年認知度が高まっているようです。
基本的には検査は不要で、そのまま様子を見ていれば自然に皮疹も消失しますが、かゆみがあればステロイド入りの塗り薬を処方する場合もあります。
強い紫外線や温まると皮膚の赤みが増悪するので、皮膚症状が強ければプールは避けた方がよいでしょう。
気をつけなければいけないのは、妊婦さんです。
家庭内での感染も多くみられますので、お子様がりんご病と診断され、お母様が妊娠中の方などは注意が必要です。
妊婦さんがりんご病に感染すると、胎児にも感染し、胎児水腫や流産のリスクが高まります。
りんご病は接触感染、飛沫感染ですので、適切な手洗い、マスク着用など感染対策をするようにお願いいたします。
今の時期は紫外線も強いので「日焼けかな?」「日焼け止めのかぶれかな?」と思って受診されたらまさかの「りんご病🍎」で驚かれるケースも多くみられます。
皆様お気をつけくださいね。